フィギュアスケートの素敵な衣装は、選手や演技、またプログラムの曲の雰囲気にも合わせて用意されており、パフォーマンスの重要な要素の一つですね。
フィギュアスケートの衣装に規定があるということを知っているという方も意外と少ないかもしれませんが、実は、フィギュアスケートの衣装にもルールがあります。
女子の衣装にはもちろん、男子の衣装にも厳しい規定があるのです。
今回はフィギュアスケート男子の衣装の規定についてお伝えしたいと思います。
フィギュアスケート選手の衣装基本条件
フィギュアスケートの衣装の前提条件として男女ともに、
「スポーツ競技にふさわしい品位を保ったものでなければならい」
というものがあります。
品位を保つというのは、簡単にいえば露出度の問題を表していると言えるでしょう。
“ヌーディティ(裸体)を連想させるものはNG”とルールブックにも書かれており、
過度な露出度だと判断された場合には、転倒と同じ点数-1という大きな失点となります。
国際スケート連盟(ISU)のルール500「スケートの刃や衣類の定義」規定がルールブックにも書かれており、衣装についても以下のように述べられています。
冬季オリンピックや国際大会では、競技者の衣装は節度と品位のあるものでスポーツの競技会に適したものでなければならない。
派手な物や、芝居じみたデザインでないこと。
ただし、衣装は選んだ音楽の特徴を反映するものであってよい。SUルールブックより
上記の用件を満たしていない衣装の着用に対しては、罰則として1.0 の減点がされるとあります。
判断基準が難しそうですが、審査員の独断によるものとなります。
フィギュアスケート男子の衣装の規定とは?
厳しく判断される露出度の問題といえば、特に女子の衣装に関わる問題だといえそうですが、男子の衣装についてはどうなのでしょう。
男子の衣装の場合は、
●長ズボンの着用が義務付けられています。
というわけで、半ズボンはNG、タイツの着用もNGということになります。
●脇毛が見えてはならない。
というルールもあります。
とはいえ、衣装の生地や色により、多少外から透けて見え見えてしまう場合もありますね。
この場合は、隠そうとしているかどうかという点についても判断されます。
このルールのため、男子フィギュアスケート選手の衣装は、皆さん袖があるものを着用されています。
ノースリーブの衣装の場合は、男性でも脇毛が剃ってあれば良いのだそうです。
●競技中の衣装の一部の落下は減点対象になる。
この問題に関しては、過去の例を出すとすれば高橋大輔選手の衣装の羽が競技中に落ちてしまった時にマイナス1点の減点とされたことがありました。
それも、パフォーマンスが終わり決めのポーズをした習慣の出来事で、不運としかいえない残念な状況でした。
また、競技中にスケート靴が引っかかり手袋が落ちてしまったという女子の選手もいましたが、やはりその時も同様にマイナス1点の減点となりました。
フィギュアスケートが始まった初期の頃は、黒の背広にネクタイといった礼装に近い格好でしたが、徐々に現在の舞台衣装のような明るいデザインの衣装を着るようになったそうです。
ベストを着て演技をする選手はいますが、背広となるとさすがに重くて演技に支障が出てしまいそうですよね。
そして、男子は長ズボンの着用が義務付けられていて、半ズボンやタイツの着用は禁止されています。
フィギュアスケートの衣装ヴィットルールとは?
フィギュアスケートの衣装に厳しいルールが制定されたのは、こんなことからでした。
1988年開催のカルガリーオリンピックで、当時東ドイツのカタリナ・ヴィット選手がスカート部分を全て羽で覆うような衣装で、ハイレグの露出度の高い衣装で出場したことが問題視されたことが、衣装に関する規定が作られた原因でした。
同選手は過激な衣装が特徴で、ある大会では肩ひものない衣装でのパフォーマンスの際にポロリという出来事もあったそうです。
過度の露出を禁じるルールは、カタリナ・ヴィット選手の名前からとり、「ヴィットルール」と呼ばれています。
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