みずほフィナンシャルグループ、ゆうちょ銀行、複数の地銀が連合で、仮想通貨「Jコイン」 の発行を検討し、新たな会社を設立しようとしていることが話題になっています。
Jコイントはどんなものなのか、気になる利用法や発行の時期などをお伝えしていきたいと思います。
Jコインとは?
みずほ銀行、ゆうちょ銀行、その他70の地銀が共同で、日本円にペッグした仮想通貨Jコイン(仮称)扱う新会社を設立すると発表しましたね。
銀行の預金口座と関連付け、個人や企業間の決済に、Jコインが利用できるようにするという考えなのだそう。
Jコインという仮想通貨は、ビットコインなどのように価格が変動することはなく、あらかじめ、銀行口座にある円をJコインに替えることで、スマートフォンで買い物をしたり、個人の間での代金の受け渡しをすることが可能になるというものです。
決済サービスで利用できる仮想通貨が、現在世界で出回っており、中国アリババ発行の支付宝(アリペイ)や、米国アップルによるアップルペイが類似した一部の例となります。
日本発のJコインは、日本の金融機関連合で、海外発行のそれらの仮想通貨に対抗する狙いがあるようです。
国内メガバンクの中では、三菱東京UFJ銀行が先駆けて2018年春にMUFGコインの発行を予定しています。メガバンクが「ブロックチェーン」を活用した仮想通貨の発行において、これから新たな金融サービスの競争が起こりそうです。
*ブロックチェーンというのは、仮想通貨の安全性や信頼性を裏付けている中心的な技術がブロックチェーンと呼ばれています。複数の端末に同一の記録を同期させる仕組みというイメージで考えると分かりやすいかと思います。複数の既存の記録をまとめた”ブロック”に新しい記録を追加する際、チェーン状に追加されていくことから、ブロックチェーンと呼ばれており、この技術は金融とITを融合したフィンテック(Fintech)を支える技術とした世界から注目を集めているのです。
Jコイン発行の目的とは?
Jコインの狙いはデータの収集とATM関連のコストの削減という主に2つだと言われています。
まず、Jコイン構想の大きな狙いは決済データの活用だと言われています。Jコインの普及により、利用者の買い物履歴や送金履歴を蓄積し、匿名データに加工してほかの企業や銀行と共有しそれらは参加企業にとって貴重なデータとなり、そのデータを活用し商品開発や価格戦略に活かそうという狙いがあるようです。
また、ATMの維持費というのは大変高く、年間1兆円にも上るようですが、それを削減するというのも目的の一つとされています。
日銀によれば、2016年度の電子マネー決済総額は約5兆円で、前年比10%のプラスの大きな伸びを示しています。
そのような世界の決済市場や、前述の大手アップルペイや支付宝(アリペイ)が大きく伸ばしているという前例があることからも、みずほフィナンシャルグループをはじめとする国内メガバンクは、ブロックチェーンによる新たな決済システムの構築、参入を急いでいるようです。
Jコインのデメリットとは?
Jコインは仮想通貨というよりは電子マネーです。仕組みを見る限り、主な利用方法は、銀行の預金口座との接続により、電子マネーのように使え、個人間の銀行送金ができるというもののようです。
ビットコインなどの仮想通貨との交換はできないようです。
ビットコインなどの仮想通貨との大きな違いは、日本円のみに固定され、国内利用に限るという点ですが、その点はライバルのMUFGコインも同じようです。ライバルの海外発のサービス以上に国内での利用を便利にするものでなければ、利用者の増加は望めないかもしれません。
普及させるのは可能かどうか?

現時点、発行前にJコインの普及を心配するのもどうかと思いますが、すでにApple Payなども個人間送金に対応しているサービスがあり、早い人はすでに利用者となっています。
Jコインが発行された際には、もちろんJコイン専用アプリケーションを使用する必要があるためん、すでに普及しているサービスに対抗しなければならず、Jコイン独自の大きな魅力になる点が必要となりそうです。
Jコインの発行はいつころ?
現金を使わない決済システムをすでにスタートしているアップルペイなどの海外勢と競うことが懸念される中、国内の銀行連合は普及対策として東京オリンピックが開催される2020年までにサービスの開始を実現することを目指しているとのことです。
メリットは?
1コイン=1円という等価交換制度を導入予定のJコイン。暗号通貨のように、価値の変動のリスクがないということが国内の利用者にとってはリスクを感じないメリットではないでしょうか。
また、手数料を必要とせず支払い等に利用できることにもメリットが感じられそうです。
また、海外からの旅行者にとっても、Jコインに変換しようとする場合、通常高い為替手数料を必要としますがその手数料なしで通貨の交換ができるということはありがたいですね。手数料で儲けを出している現行の換金業者にとってはマイナスとなりますが、利用者側としては手数料を考えてJコインへの換金を選ぶのではないでしょうか。オリンピックによって国外のお金を動かしやすいという状況ではもってこいのスタートとなる可能性も考えられます。
現段階の構想では、仮想通貨専用アプリを利用して、店頭での支払いやインターネットでの支払いに利用できるようなイメージで開発を進めているそうです。
まとめ
デジタル通貨の時代が来るという噂を頻繁に聞くようになった昨今ですが、いよいよ新しい時代になることが近づいていると思わせるような動きですね。アナログ派の人間である私は時代の波に乗れるのか心配です…
コメントを残す